案内記事>> 出典:NEDIA通信No.04
■2014年 NEDIA 新春セミナー・新年会を開催
2014 年 1 月 22 日(水)15:00 から日本教育会館 9 階第 5 会議室において新春セミナーを開催しました。定員 100 名の会場を準備しましたが、事前にお断りせざる得ない多数のお申し込みをいただき、満席の熱気の中で開催させていただくことができ ました。
最初にNEDIA 理事・副会長の泉谷渉氏(㈱産業タイムズ社代表取締役社長)から、NEDIA は 2013 年 9 月 30 日に発足してから多数新入会していただき会員数が順調に増加しており、2014 年は飛躍の年にしていきたいとの開会挨拶があり、新春 セミナーを開始しました。
最初のご講演は、「電子デバイス産業の未来像とニッポンの役割」と題し、NEDIA 代表理事・ 会長の齋藤昇三氏(㈱東芝常任 顧問)にご登壇いただきました。
ご講演の内容は、今年の干支と会長としての抱負ということで、NEDIA は電子
デバイス産業の川上から川下にわたる横断的組織であり、オールジャパン体制で異業種の有機的連携を進めることを最大の使命として、 草の根運動を展開するボトムアップの組織を目指しており、初志貫徹を目指し 2014 年は新たな飛躍の年にしていくという決意を表明されました。
つづいて、米国エレクトロニクス産業においては、合従連衡による新しいウェーブの動きとサービス・レイヤーから下流レイヤーへの攻撃について述べられ、さらに日本の電子デバイス産業はスマート社会に向けた新たなアプリケーションを実現する産業のコメから社会のコメとなって社会を変えていくということで、安全運転、医療ネットワークおよび在宅医療等の具体的アプリにおける半導体の役割を示されました。
最後に、ニッポンは製造装置や材料が国内ですべて揃うといった強みがあるが、それぞれが バラバラに動いており、全体としては活かされていないという実態があるため、NEDIA においてオールジャパン体制で異業種の有機的な連携を進めていくということでしめくくられまし た。
つづいて、「マグ水素プロジェクトについて~水素の安全な運 搬・貯蔵技術~」と題し、市川 敏雄氏(ZERO ONE ZERO 有限責任事業組合専務理事)にご 講演いただきました。
まず、マグ水素(MgH2)とはマグネシウムと水素が化合したクリーンで安全な水素キャリアーであることを、そのタブレット を手に持って示されました。
次に、日本のエネルギー社会においては化石燃料による CO2 排出の問題および原発の安全性の問題があり、次世代エネルギー社会への移行が図られており、 その中で水素エネルギーの利用拡大に取り組んでいるが、エネルギー効率が悪い、水素の貯蔵・保管の各技術が確立されておらずコスト高という問題があり、後者の問題をマグ水素プロジェクトで解決するとの説明がありました。
プロジェクトでは、水素貯蔵方式としては金属系吸蔵材料を 吸蔵量が大、安全、資源は豊富ということで選択し、材料としては総合的に最も優れている MgH2 を選択したことが示されました。
マグ水素は燃料電池用等の産業用、入浴剤等の民生用、試薬等の研究用の広範な用途があり、特許も 41 件出願済みであり、海外でも成立しつつあるということで、積極的に展開を目指すとの方向が示されました。
セミナーの最後は、「電子デバイス産業におけるマイクロ・ナノバブル技術の可能性」と題し 高橋正好氏((独)産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門研究部門 研究主幹)にご講演いた だきました。
まず、マイクロバブル・ナノバブルは、動植物を元気にする、 また水(環境)をきれいにするもので、マイクロバブルは直径 50 μm 以下の微小気泡で段々縮小していって最後は消滅するものとの定義を示されました。
つづいて、気泡径が小さいほど上昇速度が遅く、消滅時に内部圧力が超高圧になるとの説明があり、また電気的には気泡表面が帯電し気泡が収縮するときに表面電位が上昇し、気泡消滅時に多量の水酸基ラジカルが発生するとの説明がありました。 これを薬液なしでウエハーを洗浄することに応用することを考え、オゾンマイクロバブルを利用した半導体洗浄装置を開発し、反射防止膜、フォトレジスト除去、ポリ Si エッチング処理 で効果を立証したとの説明がありました。
最後にこの洗浄装置が、環境負荷が少ない、従来の洗浄技術を凌駕する側面も持っているため、半導体レジストの除去では現場導入の検討が始まりつつあり、周辺治具の洗浄も適用可能な段階で、またその他電子部品の洗浄等にも可能性を持っているとのことで、将来が期待されるテーマのご講演でした。
最後に司会を務めた小林鬨司 NEDIA 事務局次長から閉会挨拶があり、新春セミナーは終了しました。
セミナーの終了後、場所を同じ階の喜山倶楽部光琳の間に移し、「新年会」の開催となりました。
新年会の司会は泉谷副会長が務め、まずNEDIA代表理事・会長の齋藤昇三氏が主催者 挨拶を行い、つづいて来賓挨拶として経済産業省デバイス産業戦略室長の宮崎貴哉氏からご挨拶をいただきました。
乾杯の発声をザインエレクト ロニクス㈱代表取締役会長の飯塚哲哉氏(NEDIA 顧問)にしていただき、賑やかな歓談が始まりました。
歓談の途中においては、堀ゆかり NEDIA 事務局員、漆原育子氏(アーズ㈱取締役)によるビンゴゲームが催され、多数の方 が商品をゲットされ新年会は大いに盛り上がりました。
後に、押部弘理事(㈱東設代表取締役社長)の閉めの挨拶により、新年会は成功裏にお開きとなりました。