「第 9 回装置・保守部会技術情報交換会」開催報告
200mm以下装置の延命化対策、性能向上、保全に対してのリクエストと対策
~言いたい事を徹底的に!そして業績向上!!~
理事 装置・保守部会長 和田 悟、理事 装置・保守部会 実行委員 千葉 芳弘
日時:2016 年 2 月 26 日(金)13:30-17:30
場所:西日本シティ銀行熊本営業部(熊本市)
会費:NEDIA 会員 1,000 円、一般 3,000 円
スポンサー:六甲電子㈱
参加者:45 名(装置・保守部会 22 名、NEDIA7 名、一般 16 名)
参加会社:31 社
主催:一般社団法人日本電子デバイス産業協会
後援:熊本県
テーマ:200mm以下装置の延命化対策、性能向上、保全に対してのリクエストと対策
~言いたい事を徹底的に!そして業績向上!!~
[概要]
デバイスメーカーから、装置・保守部会に対して期待がある。それは、「20 年後まで工場を稼働したい」 である。当然、建屋~施設~製造装置と工場全体にわたると言った内容である。デバイスメーカーが気 になっている事は、装置・メンテナンス会社が 20 年後を視野に、どの様に考えているかである。
今回は、前半を熊本県の紹介、過去にデバイスメーカーが発表した内容と NEDIA 会員にアンケート調 査した内容のまとめ、そしてローム㈱から半導体生産ラインの改善と提案、問題提起の発表。後半は、 装置や PC の延命化対策等についての発表となる。 そして、発表者、参加者間で名刺交換・情報交換の時間もある。
13:30~受付開始
会場は定員が 42 名の中、45 名が参加した。 受付開始前から参加者が待っており、盛況ぶりが窺える。 今回は一般からの参加が非常に多い。
14:00~本日のプログラム(司会進行)
鳥栖彰孝氏/㈱くまさんメディクス常務取締役、装置・保守部会副部会長
14:00~開会の挨拶
和田悟氏/NEDIA 理事、装置・保守部会長、関西 NEDIA 副代表、セミリンクス代表
装置・保守部会についての発表。会員は 51 社で、4 分の 3 が装置系となっている。
技術情報交換会は年 4 回の開催となっており、初催事となった 2013 年 12 月から、通算 9 回目となる2016 年 2 月の熊本開催までの活動を報告。
九州 NEDIA と合同開催した第 5 回は、参加者 91 名と大変盛況であった。
参加者間のネットワーク構築をメインテーマに掲げ、業務に直結した技術情報交換や休憩時間・交流 会での名刺交換、プレゼン資料のメール配信等行っている。
14:15~「選ばれる熊本~熊本県の立地環境について~」
池永淳一氏/熊本県企業立地課 課長補佐
熊本県より、リーマンショック後から順調に回復している企業誘 致について、産学官の研究開発体制について、人材育成と教育風 土等の発表があった。
県内の理工系新卒者数は 5,653 人で全卒業者の「24.7%」を占め ており、地元志向が強い。にも関わらず、半数以上が県外へ就職 しているとのこと。
また、熊本県は、良好で安価な生活環境、海外展開の可能性、国や県の優遇制度も多くあり、県内企 業の紹介を行うビジネスマッチング、中途・新卒等の人材紹介を行う等の、充実したフォローアップ がなされている。
日本一有名な営業部長である「くまモン」の経済効果は、日本銀行の試算によれば 1,244 億円(2011 年11 月~2013 年 10 月)となっているとのこと。
14:40~「装置・建屋の延命化においてデバイスメーカーが期待する事柄
~過去のデバイスメーカーの発表とアンケート結果より~」
和田悟氏/NEDIA 理事、装置・保守部会会長・関西 NEDIA 副代表、セミリンクス代表
200mm以下を対象に延命化を行っているメーカーが多いが、生産中止や買収によるサポートの弱体化、 パーツの製造中止、システムの更新が高額でできない等の理由で、問題となっている。 サードパーティに力を入れて欲しい事柄として、問題点への対応はもちろん、建屋やユーティリティ・ CR への延命化対策や、15~20 年を見据えた若手への伝承教育等のアクションが挙がっている。
14:55~「200mm生産設備の改善 事例と延命に向けた今後の取り組 み」
池奥哲也氏(次席技術員)、 塩見和彦氏(係長) /ローム㈱
会社紹介と設備部門の業務内容に ついての発表。 |
改善事例では、METAL ETCH 配管詰り対策として「HOT N2」の紹介と、SPM 洗浄装置老朽化対応として「CR 内リファブ」の紹介があった。
200mm設備は今後 10 年以上、主力機として稼働する予定であり、部品毎に強みを持つメーカー様と 太いパイプを繋ぎながら、「復元・改善・改良・改造で延命を継続する」としてまとめた。
15:20~初参加者からの一言
15:25~休憩(名刺交換)
15:40~「わが社の事業転換」
櫻井一郎氏/櫻井精技㈱ 代表取締役社長
会社概要、組織形態等について発表。
自動機の設計~製造・販売を行っている。前身は造船所。
従業員は 336 名で、平均年齢は 33.5 歳と若く、98%が熊本出身と のこと。
一種一社を原則として機密保持を行い、部品加工~最終検査まで、 社内一括の製作体制となっている。
特筆すべきは、“営業は 1 名で、少数でも受注は止まらない。・・・何故か?
との質問に“桜井精技”へ依頼すると何とかしてくれる!受けたら何とかする!が礎となっている。 まさに“信頼の証”が受注として現れている。
16:05~「半導体装置の装置用制御 PC の延命策」
成田環氏/㈱シェアード・ソリューション・サービス CS 部部長
制御装置の不具合実例や制御用 PC について、これまでの修理・部 品販売等を紹介。
PC 構成部品の販売サービス、オーバーホール・サービス、データ バックアップ・サービス、HDD デュプリケート・サービス、NVRAM 交換サービス等多くの対策方法を紹介頂いた。
参加者(特にデバイスメーカー)より具体事例についての質疑があり、活発な意見交換が行われた。
16:30~「メンテナンス事業~現状から将来に向けて~」
鏡與徳氏/㈱テクノネット代表取締役社長
会社概要、事業内容について、メンテナンス事業の歴史・現状・将来について発表。
保全需要は拡大しているが、人材不足により失注も多数。同様の考 えを持つ企業同士の垣根を越えた協調・協力関係が必要ではない か、との提案があった。
16:55~「製造(FA)装置向け EOL 半導体の再開発事業」
若林雄彦氏/㈱ロジック・リサーチ取締役
会社概要、EOL 半導体の再開発事業の概略、具体的な開発手法 等についての発表。
将来的な取り組みとして、イニシャルコストを更に低減する為 に、加盟団体の「ミニマルファブ技術研究組合」の研究・開発 成果の有効活用を想定しているとのこと。
17:20~閉会の挨拶
南洋一氏/NEDIA 理事、装置・保守部会副会長、 リソテックジャパン(株)代表取締役社長
[交流会]
~発表者との情報交換、参加者同士の情報交換の場として~
日時:2016 年 2 月 26 日(金)18:00~20:00
場所:ささの本店 会費:5,000 円
参加者:36 名(装置・保守部会 19 名、NEDIA6 名、一般 11 名)
参加会社:27 社
主催:装置・保守部会
[謝辞] 会場提供の西日本シティ銀行熊本営業部(熊本市)様 受付には㈱インターテックの下村様、高田様に行って頂き、交流会については準備、進行等を㈱くま さんメディクス常務取締役、装置・保守部会副会長鳥栖様に行って頂きました、この場を借りて御 礼申し上げます。