一般社団法人日本電子デバイス産業協会(NEDIA)は、2013年9月30日を立ち上げてから2014年度末で1年半が経過しました。2014年度は新たな飛躍の年とすべく、種々の新たな事業にチャレンジし、精力的に展開してまいりました。おかげさまで2015年3月31日の会員数はスタート時の198会員から261会員まで増加することができました。この間の会員の皆様方及び関係者に感謝申し上げる次第です。
2014年度は、情報提供及びコミュニケーション機会の創造のために各部会の勉強会、技術交換会を積極的に展開するとともに、熊本で初開催となる「NEDIA Day九州くまもと」を始めとした各地でのセミナーを積極的に推進しました。また、2014年10月末には西日本最大級の「電子デバイスフォーラム京都」を開催しました。さらに、JPCA Show2014、SEMICON Japan 2015に会員企業と共に出展し、NEDIAの宣伝に努めました。今後のNEDIAの展開において重要な事業となる電子デバイス産業のロードマップ策定、新事業創生のための委員会を立ち上げ、具体的準備を開始しました。
こういった中で2015年度を迎えておりますが、NEDIAを取り巻くエレクトロニクス市場は大きな変化の時期に差し掛かっています。世の中で求められる「社会の価値観」が「便利さ」、「豊かさ」から「社会的課題の解決」、「人と環境の調和」に変わってきており、半導体についても「産業のコメ」から「社会のコメ」への変革が求められています。それが最近言われている、もの(こと)と情報の高度が高度に融合されたCPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT(Internet of Things)の世界を実現することにつながると思います。CPSとは、実世界(フィジカル空間)にある多様なデータをセンサー・ネットワーク等で収集し、仮想空間(サイバー空間)で大規模データ処理技術等を駆使して分析/知識化を行い、そこで創出した情報/価値によって、産業の家政科や社会問題の解決を図って行くことで、産業と暮らしを元気にする世界のことです。このCPS世界では従来から言われていたビッグデータとM2M(machine to machine)に最近はIoTという概念が加わっています。IoTとは、今まで単体として動作していた機器に通信を付与し、ネットワークに接続することで、「モノ」に進化させて価値を生む「コト」とすることです。さらに、データをインターネットを介してクラウドにあげ、蓄積するとともに分析・解析してデータを価値あるものにすることです。CPS/IoT社会が現実に向かって動き出しており、電子デバイス市場も大きく変化してくると考えられます。
この様な変化は、電子デバイス産業の川上から川下にわたる横断的戦略組織で、オールジャパン体制で異業種の有機的連携を進め、草の根的にボトムアップでオープンイノベーションを目指しているNEDIAにとっては大きなチャンスととらえています。2015年度は、NEDIAは電子デバイス分野で新事業を創生し続ける組織を目指して、以下の重点施策を推進することによって着実に前進して行く年にしたいと考えています。
諸施策を推進して行くためには組織の強化が必要であり、300会員を目指して会員拡大施策を推進して行きます。電子デバイス分野のロードマップ策定と新事業創生事業を重点的に進めます。ロードマップは、forecast型アプローチとbackcast型アプローチの両面からイノベーションの”ヒント”となるものを表現して行き、NEDIAならではのロードマップを策定し、報告会を開催したいと考えております。新事業創生事業は、ビジネスマッチング、ビジネスアプローチ、イノベーション創出活動、またロードマップにおける”ヒント”からのイノベーションを各部会と連携して創出するアプローチで会員企業に具体的事業メリットを創出して行きます。そのほかに地域活動としては新たに富山、山形でのフォーラムを開催し、「第2回電子デバイスフォーラム京都」も11月に開催し、展示会もファインテックジャパン、JPCA Show、SEMICON Japanへ出展していきます。
本年度も初志貫徹を目指し、諸施策を推進して行きますので、皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
|