NEDIAマガジンNo.22 概要
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NEDIAマガジン第22号表紙 2022 Summer
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P3
◆ ◆ P4
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巻頭言 詳細下記>> 追い風にある日本の 電子デバイス産業の将来を考える 齋藤 昇三 (一社) 日本電子デバイス産業協会 代表理事・会長 2022年度後半以降の電子デバイス産業展望 ◆ ◆ 電子デバイス産業はいよいよ100兆円時代に突入し、さらに高成長の気運~半導体設備投資も堅調、日本勢得意のパワーデバイスに注目集まる~ 泉谷 渉 株式会社産業タイムズ社 代表取締役会長 |
P7 | 2022年後半の半導体を読む、EV元年で車載用急像へ
津田 健三 株式会社セミコンダクタポータル編集長 |
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P10 | 日の丸半導体産業の過去・未来
服部 毅 Hattori Consuiting Intertional 代表/ 国際技術ジャーナリスト |
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P13 Infomation P14 【広告】株式会社テクノアクセルネットワークス 表3 【広告】株式会社ロジックリサーチ 表4 NEDIA会員リスト |
□ NEDIAマガジンNo.22 巻頭言
齋藤 昇三(サイトウ しょうぞう) 1950年7月岐阜県岐阜市で誕生。 1998年より2年間渡米し、東芝 アメリカ電子部品社で技師長として 従事。 2006年6月、執行役常務に就任、 2012年6月取締役代表執行役副社 長に就任。 就任。2020 年6 月より代表取締役会長兼社 長に就任、現在に至る。 |
米中半導体摩擦からはじまり、経済安全保障の観点から戦略物資として 半導体が再注目されるようになりました。わが国でもこの競争優位を保つた めに、国内での半導体の技術開発・生産の維持・拡大が重要であるという認識から、政府と経産省など各所で議論が活発化しています。日本の電子デバイス産業も、この追い風に乗るには何をすべきか、改めて戦略を練り直す時期です。そこで、少し過去を振り返りながら考えてみたいと思います。 1980年代の日本の半導体産業は米国に追いつけ、追い越せのスローガンのもと、産官学が一丸となって、研究開発と設備投資に必死になっていました。また、政府も多額の補助金による国家プロジェクトを支援していました。その結果、DRAMを中心として見事に成功し、米国を追い越し、1988年には全半導体の50%以上が日本企業の生産によるものとなりました。 残念ながら、これをピークに日本の半導体産業はシェア低下がはじま、昨今では7-8%のシェアまで落ち込んでしまいました。この要因についてはいろいろと議論されていますが、私は一番の要因は日米半導体協定にあると考えています。この協定ではコストと販売価格の提示による価格競争力の排除と20%以上の米国生産半導体の使用義務という圧力を10年間にわたり押し付けられ、日本政府はこれを容認してしまったことです。これで、我々は半導体の海外生産に踏み切りますが、ことごとく失敗に終わり、衰退してしまいました。 今の米中半導体摩擦も同じようにみえます。違いは中国が米国に絶対に負けないという姿勢をとっている点です。簡単に協定を結んで、解決させるのではなく、あくまで戦い続ける点は素晴らしいと感じます。しかし、中国はこの影響をまともに受けて。私は中国の開発力は弱体化し、当初より少なくとも10年は遅れたとみています。さすがに米国は強いと感じます。 さて、日本の半導体産業はこの失われた30年をどうするかです 期間での復活は無理ですが、日本の過去と中国の現状を見習って、これからの10年で、新しい分野での競争力を復活させることが出来るはずです。この時代で戦略物資を他国から買ってくれば良いという考えを捨て、自国で生産するという意識に変更することです。1980年代の産学官の結束力を再び呼び起こすことが最重要項目です。そして、ステップを踏んで着実に競争力を高めていくことだと思います。まず、日本がたくさん持っている200mmのレガシーファブを効率改善のためにリニュアルする。半導体製品は最先端ばかりではなく、これ以外にも作る製品はたくさんある。ここで体力をつけて、減少してしまった電子デバイスに関係する人財を再度育成していくことです。そして、産官学で新しい分野の研究・技術開発を推進し、設備投資を積極的に行うことです。半導体技術の進歩は早く、市場のすそ野も急拡大しており、うまくやれば世代交代はすぐにでも起こせることを1980年代に我々はすでに経験しています。 NEDIAは電子デバイス産業を網羅した業界団体として、産官学の橋渡しをすべく、各種施策を展開してまいります。今後とも、この新たな時代の幕開けに、私どもは全力を尽くして活動をしてまいりますので、皆様からのご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。 |