電子デバイス産業の川上から川下に亘る横断的戦略組織

戦略マップ委員会 活動方針

出展:NEDIAマガジンNo.05(2015.06.30)

戦略マップ(旧名:ロードマップ)委員会 活動方針

ロードマップ委員長

東北大学 名誉教授

新日本金属鉱業(株) 技術顧問

大見 忠弘

 

 NEDIAのキーワードは、「電子デバイスの川上から川下まで含んだ横断的戦略組織として機能する」、「電子デバイス関連の横断的、戦略的、そして草の根運動的組織としてオープンイノベーションを目指した活動を行う」であり、また「Nipponの電子・電気関連産業の羅針盤であり機関車でありたい」とも表示しています。

 具体的事業の創出及びイノベーション創出のためには、その羅針盤と成り得るロードマップの策定が望まれてますので、NEDIAではロードマップ委員会を組織し、NEDIAならではのロードマップを策定することにしました。

 

 具体的には、従来のロードマップが技術開発を中心にしたものであるのに対し、ここでは技術の出口を強く意識した議論を加え、社会・ビジネスイノベーション創出に至る”きづき”を意識することにしました。 名称を戦略マップとし、会員の事業化のヒントとなるようまとめたいと考えています。

 

(1)ロードマップ委員会の構成 ・・・「会員専用」(認証付)ページを参照ください。

 

(2)ロードマップ策定についての考え方

①優位技術分野の限界に達する又は超える展開を見極め、電子デバイスの性能アップ及び応用分野の進歩につなげるとともに、それを実現する製造技術・材料技術等を確立する。(forecast型アプローチ)

 

②地球及び全世界で起こり得る環境変化・社会変化を見定め、それを実現する又はそこから派生する技術変化の必要性を俯瞰する。(backcast型アプローチ)

 

③ ①及び②、それに時間軸を含めて、双方の接点で絡むエリアから新しい技術・事業の創生につなげる。(”きづき”=”ヒント”)

 

④従来のロードマップの考え方を超えた、NEDIAならではの概念(新表現)を打ち出す。(名称を検討中であるが、今のところ”戦略マップ”と置いているので、以後は戦略マップと表現する。)

 

以下の項目で、戦略マップ策定の概略を述べます。

 

(3)戦略マップの策定について

①目的

・新たなイノベーションを迎える時期に当たり、産業構造が大きく変化しつつあり、電子デバイス産業も単なるデバイスメーカとしての役割から大きな一歩を踏み出すことが生き残るために必要になっている。

・この激変の時代を我々の産業の立場から幅広く見ると同時に、2025~2030年の社会に貢献するための戦略を提示する。

 

②目標の考え方

・協創・協働活動ビジョンを支えるシナリオとして、また、競争に勝ち抜く先行価値を作るツールとしてNEDIA会員が活用することを目指す。

・現在の市場・技術から想定される将来への道を見る(forecast型)ことに加えて、想定される将来から現在を俯瞰し、たどるべき市場・技術の姿を見る(backcast型)ことでイノベーションに対応できる。

・上記を具体的に実現するため、新しい仕組みを提案する。

 

StrategyMap-plan

(4)新概念の戦略マップ

新概念の戦略マップの策定で前提となる以下の仮説を立てています。

イノベーション:従来のロードマップでは表現できないが、その兆しを見つけること(きづき)で変化に対応する。

テクノロジートレンド:技術の詳細ではなく、その機能・効果での評価を加えることで求められる付加価値を表現できる。

マーケットトレンド:相互作用などの複合的要因が支配するため、複眼的視点に立った表現が必要になる。

戦略マップ策定のポイント

・NEDIA会員事業分野の現況理解を前提として、きづきとリスクを意識する。

・顧客・ニーズ視点に立った価値創造(プラットホーム化等)で事業価値を表示させることを意識する。

・事業分野・市場分野の壁を取り払うことで生ずる相互作用を意識する。

・社会問題と解決技術について、日本の強みと世界との違いを意識し、多様性を担保した議論をする。

 

(5)戦略マップの出口

①戦略マップの利用(ユースケ-ス)

きづきを得る:見えなかった事実にビジネスの可能性を見つける。

立ち位置を変える:他分野、上下流市場から自らを見る。

事業の芽を育てる:異業種間議論でビジネスの可能性を確認する。

競創事業を創る:不足を補完できるパートナーと事業化する。

環境を整える:事業現場/政策改善に向けた提言を策定する。

 

戦略マップの展開の場

・分野ごとの深堀ロードマップの策定、さらなるリスク対応の検討(デバイス部会研究会、各部会勉強会、等)

・きづきから得られる事業機会の分野横断的議論(異業種交流)(各部会、新事業創生委員会、(きづき研究会)、等)

・NEDIAと政府、関係機関・団体と議論・交流(政府提言、アウトリーチ活動、環境改善。等)

 

(6)戦略マップの切り口

①二つの視点:forecast型、backcast型

②三つの切り口で考えるテーマ選択

2015年度は以下の切り口で推進する。

・社会保障(グリーンとライフ)を意識した戦略テーマ

 モビリティ市場(自動車・ドローン・都市交通)

 ヘルス市場(保健・医療・介護)

・社会を変革、課題を解決する革新的概念テーマ

・確実な進歩を支える新規技術テーマ

 高機能・高効率デバイス技術

 生産技術(装置・材料)

 

(7)策定の流れ

①委員会の開催

5回開催(2014年8月、10月、2015年1月、5月(2回))

今後3回でまとめる。

②報告会

2015年12月を目指す。

 

 以上の方向で策定中ですので、完成をお待ちください。


PAGETOP